X-MENシリーズ最新作。これまでの作品は旧作を観ていなくてもなんとなく理解可能な構成になっていたけれど、この作品についてはファイナル ディシジョンとファースト・ジェネレーションの両方を観ていないと何が何だかわからなくなると思う。
人間とミュータントが協力してロボット軍と対決している未来から、ロボット軍設立のきっかけとなった過去にウルヴァリンの精神を送り込む、というストーリー。過去と未来のエグゼビアとマグニートーの立ち位置をわかっている必要があるし、そもそもそれぞれ全然似ていない若年期と老年期のふたり(ジェームズ・マカヴォイとパトリック・スチュワート、マイケル・ファスベンダーとイアン・マッケラン)が同一人物だと把握するためにも、過去の作品は観ておく必要がある。
ミスティークを軸にして物語が進んでいくが、話は多分に精神的なところが多く、派手なアクションは影を潜めている。なので、好きじゃない人はすぐに退屈してしまうと思う。一方で、このシリーズが大好きなら、なるほどー、という感じでかなり肯定的に受け入れられるのではないか。
過去・現在・未来の因果関係がむちゃくちゃになるので、詳細に検討していくとあれ?ということになる。つまり、本作で過去(ファースト・ジェネレーションとX-メンの間)をいじってしまった結果、未来(フューチャー&パスト)が変わってしまうので、じゃぁ、その間にあるX-メンやX-MEN2はどうなるのさ、という事態になる。少なくとも、この映画の時点で中間の作品たちはリセットされてしまう立場にある。色々な矛盾が生じていたところ「ぜーんぶチャラ!」という、いわば夢オチのような手段を講じたので、やろうと思えば全ての作品についてリメイク(というか、改変後の歴史について、改めて語ることになる)可能になる。すげぇなぁ、むちゃくちゃだなぁ、と思うけれど、細かいことはスルーすべきなのかも知れない。
ということで、細かいことを気にしなければ、結構楽しめる。特に音響が良かったので、映画館での鑑賞を推奨。評価は☆2つ。