ピンズ欲しさにブロンズクラスを受験したのが去年。今年はワンランク上のシルバークラスの検定試験が実施されるということで、受験したのが7月である。無事合格したのだが、今日になって合格証、ピンズ(これ、重要)、名刺が到着した。
我ながらかなりよこしまな理由での受験だったのだが、世の中に山ほどある無意味な資格検定試験とは違い、非常に役に立つ試験だった。あくまでも、個人的に、だが。
なぜかというと、まず、こんな試験でもなければ、ワインについて網羅的に勉強しようとなど思わないからだ。ちょこちょこっとワイン本を読むことはあっても、その内容にはムラがあって、書き手の得意、不得意が反映されてしまう。ワイン検定のテキストはソムリエ協会が作っているので、(担当者が違うことから)国ごとに書きぶりやまとめ方に差があるとはいえ、ほぼ網羅的に記載されている。
それから、勉強した知識がかなり役に立つ。ラーメンについてどんなに詳しくても、せいぜいキャバクラで「ええーーー、どこが一番美味しいんですか???」と聞かれるぐらいで、ほとんど何の役にも立たないのだが、ワインは違う。ユネスコのなんちゃらかんちゃらさん(相当偉い人)とかと話をしていても、「元木さんはグルメに詳しいそうですね」「えーー、ラーメンぐらいですけど」「あ、すいません、私はラーメンとか、食べないので良くわからないのですが」「あ、じゃぁ、ワインも少々」「ワインなら私もわかります!」・・・みたいな会話が実際に交わされたりするわけで、そうした時の「教養」として役立つのである。まだ勉強を始めて大して時間が経っていないけれど、うわー、勉強して良かった、と思ったことは一度や二度ではない。もちろん、周囲には僕よりもずっと詳しいワインエキスパートが何人もいて、「俺様一番」では全くないのだけれど、勉強する前は彼らとそもそも会話が成立しなかったわけで、良かったなぁ、と思う次第である。
英語も、ブラインドタッチも同じだが、どこかのタイミングでつまらないトレーニングをしなくちゃならない。でも、我慢してそれをやっておくと、そのあとは経験がそのままスキルアップにつながる。ワインも一度勉強してしまってベースを作ってしまえば、あとはワインを飲むたびにスキルアップできる。勉強がないと、「あー、美味しいねぇ。以上」である。もうちょっと早くに勉強しておけば良かったとも思うけれど、やって良かった。