「その1」で取り上げたのはユニクロだったのだが、その中で唯一定価で買っても良いと述べたのが錦織圭モデルの商品である。先日の全米オープンにおける錦織選手の活躍によって、ほぼ売り切れの状態のようだ。
<錦織決勝進出>ウエアもラケットも売り切れ状態
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140907-00000050-mai-soci
「その1」を読んでいた人なら、売り切れになってしまって臍を噛むといったことにはなっていないと思う。もちろん、私も購入済みなので、売り切れも大歓迎である。さて、そんなお役立ち情報満載の本連載、第二回は神戸屋である。
神戸屋はパンの製造・販売をメインにしたフード・サービス業者で、売上に占める菓子パンの率は50%を超えている。同社が鉄道会社と連携して駅構内に展開しているフレッシュベーカリー神戸屋は全国で57軒に及ぶ。
フレッシュベーカリー神戸屋の割引で最も目につくのが、ユニクロでも実施されていた在庫処分型の割引である。要は、売れ残ってしまいそうな日持ちしない商品を閉店までに捌き切ってしまおう、というものだ。神戸屋の割引で面白いのは、時間によって割引率が10%>20%>30%>40%と、徐々にアップしていくことで、閉店時間が近くなればなるほど、割引率は大きくなる。当然のことながら、私にとってのフレッシュベーカリー神戸屋は、22:00頃に40%引きで買うのが当たり前で、平時に定価で買うなどありえない店となった。
さて、このフレッシュベーカリー神戸屋の割引だが、最近になって大きな変化があった。閉店間際になっても、割引率が20%までしか上がらないのである。その方針転換が何に起因するのかは不明だし、私が使っている店だけなのか、全国的な方針なのかも明らかではないのだが、少なくとも私がいつも利用している店舗では、これから数ヶ月の間、店と消費者の間で我慢比べが続くことになるだろう。
通常、在庫処分型の割引は、消費者も半ば定常的な割引と認識するので、消費者が一度それに慣れてしまうと、店舗側からの消費者の再教育は非常に難しい。「あの店は閉店間際になると必ず4割引になる」と認識されてしまったら、その割引率を低く抑えたとたんに、消費者は離れていってしまう。実際、消費者の一人(年収1000万円以上の医師)に話を聞いてみたところ、「神戸屋のパンは普通に買うと高すぎる。40%オフじゃないなら絶対に買わない」とのことだった。おかげで、現在のフレッシュベーカリー神戸屋は、閉店間際になっても商品が山積みになっていて、店はガラガラである。

この我慢比べがいつまで続くのかは、方針変更の理由によるのだが、それがわからない以上、消費者としては20%という数字にそっぽを向き続けるしかない。本来、方針変更が本気なら、フレッシュベーカリー神戸屋はきちんと「これまで最大40%だった閉店間際の割引を、これこれしかじかの理由によって20%へと変更しました」という内容のリリースを出すべきなのだ。
#もちろん、リリースを出しても、客が戻るとは限らない。
今後、フレッシュベーカリー神戸屋が閉店間際の割引に対して取りうるプランは次の3つである。
1.割引率を元に戻す
2.売れ残りが発生しないように、生産量の適正化に向けて努力する
3.「売れ残り上等」で現状を維持する
どの行動に出るのかは現時点では予想がつかないのだが、これまで閉店間際の40%割引を愛用していた方は、「フレッシュベーカリー神戸屋のパンが大好き!唯一無二のパンで、他の店のを買うなんて考えられない!」ということでもない限り、20%割引のパンは買うべきではない。もともと、必要のない割引なら実施するはずがないので、何か大きな変革でもない限り、一度投入して恒常化した割引を変更する理由がない。「ちょっと売上が伸びない。割引が大きすぎるのではないか」といった、単なる思いつきによる方針転換である可能性もあるので、当面は様子を見たほうが良い。経営者の思いつきなら、しばらく我慢すればまた復活するはずである。
ちなみに神戸屋は在庫処分型の割引の他にリピーター誘発型のポイントカードサービスを実施している。こちらの有効期限はきちんと確認した方が良い。ただ、スタンプを集めても実質約5〜7%の割引(3000円以上購入して150円、6000円以上購入して350円、9000円以上購入して600円の段階的割引)なので、これまで40%割引で買っていたパンを20%割引で購入するのは損である。
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