ったく、なんで新幹線はおサイフケータイで乗ることができないんだよ!と常々思っていたわけです。毎度毎度、乗車券と特急券を二枚重ねで自動改札に突っ込む必要があるし、車内の検札でも、ポケットの中を探して車掌に差し出さなくてはならず、なんて原始的なんだと。
ところが先日、JR東海が「プラスEXカード」というのを出していて、画期的に便利だという話を小耳に挟んだので、ちょっと手に入れてみたわけです。それで、使ってみたんです。
見た目はちゃちいカードで、デザインセンスの欠片も感じさせない一枚に仕上がっていますが、これ一枚あれば、新幹線に乗れるらしい。
「これ、検札のときはどうするんだろう」と思っていたのですが、そこは最新技術ですね。改札でセンサーにカードをかざすと、座席に関する情報を書いたカードがぺろっと発行されます。なるほど、良く考えている。さすが、東海道新幹線でじゃぶじゃぶ儲けている会社は一味違う。
ただ、いくつか、まだ疑問が残るのです。それをいくつか書いてみます。
まず、ひとつめ。このシステムはおサイフケータイと連動しておらず、在来線に乗って新幹線の乗り継ぎ駅までおサイフケータイで来てしまうと、その記録が入っている携帯電話を有人改札で駅員さんに渡して、処理してもらう必要があります。えーーーと、こういうカードを使って手続きを簡略化したいと考えている人の多くはおサイフケータイで電車に乗っている気もするのですが、そんなことはないのでしょうか。何しろ、この有人改札を抜けるのが非常に面倒くさいです。
ふたつめ。折角カードで済ませているのに、車掌さんには、改札で発行された紙のチケットを見せる必要があります。これなら、切符を使っているのと一緒ではありませんか?
みっつめ。えーーーと、何でわざわざカードなんですかね???おサイフケータイと連携してくれれば、そもそもカードすら不要で、携帯電話ひとつで済む話なんですが・・・。リニアモーターカーを作っちゃおうなんて考えている先進的な会社とは思えない、古臭さがちょっと気になります。
従来よりも便利になったのかというと、もう少し検証作業が必要かも知れません。直感的には、全然変わってねぇ、いや、むしろ、退化してるんじゃねぇの?と感じる次第であります。
まぁ、今を遡ること20年、あるコンサルタントが、「車内を『ゴミガール』がカートを転がしてゴミを収集して回れば、網棚や座席に残されるゴミを減量化できますよ。残飯と新聞・雑誌も分別できます」と進言したところ、「お客様にそんな面倒はかけられない」と返答された会社ですから、相変わらず周回遅れなのかも知れませんが・・・。