過去にも似たようなSF小説や映画はあったと思うのだけれど、上手に家族のつながりを加味したところが新しい。その意味では「漂流教室」(漫画)など、同じテーストを持つ作品がなくはないのだが、今の世の中、完全無欠なオリジナルはパクリか、パクリではないかに関わらず無理なので、それを難点として指摘するのは正しくないだろう。
生存し続けるのが困難になりつつある地球を舞台に、新しい惑星を探しにでかける父と、地球に残された娘が描かれる。人類の存亡を左右するのは「2001」で描かれたような超越的な「意思」で、物語は後半に向かって複雑な様相を呈していく。
難しい理論や、解釈が難しいストーリーが展開されるのだが、それらがクリアにならなくてもちゃんと伝わるものがある。その上で、より深い理解のために想像力を働かせたり、勉強したり、したくなる。新しい映像やストーリーだけでも十分楽しめるのだが、さらにもう一歩という要素があるところが凄い。好き、嫌いはあるだろうが、映画ファンなら絶対に映画館で観ておく必要がある作品だと思う。
評価は、☆3つ。