2014年12月01日

寄生獣

原作未読。正確には、最初だけ知っていた。

さて、映画だが、どこかからやってきた寄生獣に右手を食べられてしまい、寄生獣と一緒に生活していかなくてはならなくなった高校生が主人公。寄生獣は「自分の命さえ守られれば、あとはどうなっても良い」という、非常に合理的な生物で、時として不合理な人間の意思決定と齟齬が生じていく様を描いている。

と、おおまかに説明したけれど、これがなかなか面白く撮れていた。1つ目の評価ポイントは特撮で、寄生獣に右手を乗っ取られた状態を上手に表現していた。だが、最大のポイントはそこではなく、寄生獣に乗っ取られた人々を演じる役者たちの演技力だ。思うようにならない右手を表現する染谷将太、人間を観察することに興味をもつ女性を演じる深津絵里、笑顔の作り方が下手な東出昌大・・・どれもこれもがなかなか良い演技をしていて違和感がない。3つ目のポイントは脚本で、最近観た邦画の中ではかなり良い出来だったと思う。脚本はリーガル・ハイの古沢良太と山崎貴監督の共同脚本で、先日放送されたリーガル・ハイの特番がイマイチだったことから心配していたのだが、良い方向へ裏切られた。

ちょっと「あれ?」と思ったのは、母親が警官と出くわすのがあまりにもご都合主義だったこと、母親の記憶が残っていたこと、ピアスが赤身肉から出てきたことなど。ただ、そういったクエスチョンマークをふっ飛ばしてしまうくらいの楽しさがあった。

「これで、どうやって風呂敷をたたむんだろう?」と心配になったところで映画は終了。なんと、後編があるらしい。そんなこととは知らずに観てしまった。大事なことだから先に教えて欲しい。

評価は☆2つ半。

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