2014年12月31日

海月姫

典型的なコミックムービーで、好き嫌いがはっきりしそうな演出である。最近はこういう演出の作品がいくつもあるので、観る方の抵抗感はそれほどでもなくなってきていると思うのだが、この作品は演出以前に、脚本が雑すぎる。時間的にどう考えても無理なことをさらっと表現して知らんぷり、みたいなことが多いし、重要なキャラなのかと思ったら途中ですっかり姿を消してしまう人物がいたりする。クラゲ服のデザインもイマイチ。ファッションショーは照明や音楽とか大事なのに、誰がやってんだ?という話になる。観終わった"直後"の印象が非常に良い作品なのに、あとで「あそこが」「ここが」と気になり始めるのがもったいない。

役者で見ると、ノーメイクのくらげオタク役の能年玲奈は、普段はメイクしてないような化粧をしていて、気合いを入れると綾瀬はるかのようなメイクになるという、妙なキャラだったのだが、後者の場面は確かに可愛かった。菅田将暉もこれまた朝ドラのごちそうさんで野球少年をやっていた役者だが、なかなか良い女装っぷりだった。30代前半の女優としては非常に良い演技派だと思っている池脇千鶴は「無駄遣い!」と言いたくなる空気っぷりだったが、それはそれで見事だった。

褒めるところは色々とあると思うのだが、残念なところもたくさんある。ということで、評価は☆1つ半。

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