2015年03月20日

麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜



映画館で観ることのほどもないだろう、と思って映画館では鑑賞せず、わざわざレンタルするほどでもなかろう、と思ってレンタルすることもなかったのだが、親切にテレビで放映していたので録画しておいた。今日になってようやく時間が取れたので、自宅鑑賞。

二時間ドラマと思えば悪くない。絵作りはテレビっぽいし、時々挿入される音楽は全く画像にフィットしていないのだが、無料だしテレビだと思えば悔しくない。重要っぽい登場人物を惜しげも無く殺してしまうあたりに東野圭吾テーストが感じられるものの、「面白いっ!」と唸らされるほどのこともなく、感動も薄い。どちらかと言えば、知っている景色や店を見て、「あぁ、甘酒横丁をまっすぐに行った、たいやき屋の先の雑貨屋だね」などと感じるための作品で、人形町や日本橋界隈の知識がないと楽しめないかも知れない。

目先がコロコロ変わってしまい、真犯人は思いもよらない方角から現れたりするので、最初から疑われていた人物の立場がなかったりするのだが、これは横溝正史あたりからの日本ミステリーの伝統なので、納得するしかない。容疑者が容疑者のままで終わるなら30分ドラマにもならないのだから。

事件の構図が理解できてから改めて内容を考えると、観る人たちをミスリードしたくて仕方がないという感じで、それにしてはトリックが親切すぎる。「子供からお年寄りまで楽しんでもらおう」ということなのかも知れないが、欲張りすぎで、映画ファンやミステリーファンには食べ足りない内容になってしまったと思う。せっかく新垣結衣の登場機会がたっぷりあるのに、彼女の魅力をこれっぽっちも引き出せていないのも残念なところ。

評価は☆1つ。映画なんて欲張らず、テレビドラマにすれば良かったのに。

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