もちろん、そういう「厳正な数値データ」というのはそれなりに価値があるのですが、実感との乖離が大きい場合は、行政的な視点からは意味を為さないのです。個人の主観が適正であるという保証はないのですが、適正であると信じて、その主観を少しでも反映できるように、パラメーターの選択や重み付けをしていくことになります。これが、行政官の仕事なのです。
#僕の場合、シンクタンクの研究員と行政官の両方をやった経験があります。
ところが、そういった補正のフェイズがないと、妙なデータが出てきてしまいます。たとえばこんな奴。
「住みよさランキング2015」トップ50
http://toyokeizai.net/articles/-/74144
大変親切にも、データを画像化してくれているので転載します。

このデータを一目見て、あまりにも北陸に偏っているところに違和感を持ちます。ベスト10に6都市もランキングされてしまうのですから、何かしら、北陸にバイアスがかかるようなデータのいじり方をしているはずです。
#もちろん、みんなが「北陸に住みてぇ」「目指せ、北陸」と思っているのなら別ですが、私からすると鳥取や島根、高知よりは良いと思いますが、日本一住みやすいとは到底思えませんし、北陸の人が自分たちで「非常に快適で満足している」と自慢している場面にも滅多に遭遇しません。
この記事の場合、ラストにどうやって偏差値を算出したのかが記載されているので、それを見てみて納得です。評価しているパラメーターに偏りが大きく、これでは雑誌の記事としては使えても、行政データとしてはなんの役にも立たないし、こんなデータを行政に利用したら、納税者の皆さんに怒られてしまいます。単純に客観的数字を提示したならまだしも、このデータの場合はデータ選びなどにおいて様々な細工がなされています。
こういう場面では、「おかしいなぁ、石川や富山は◯◯な感じで、とても住みにくいと思うのだけれど」という、個人の主観がなぜ反映されないのかを考えれば、簡単に改善策を思いつきます。すぐに思いつくパラメーターをざっと書きつらねると、
●安心度
平均寿命
医療費/生活費
住民ひとりあたりの交通事故発生数
住民ひとりあたりの凶悪事件発生数
津波危険性
火山噴火危険性
震度4以上の地震発生数
●利便性
国際空港までの所要時間
札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡までの所要時間
住民ひとりあたりの郵便局数
最寄り駅までの所要時間
最寄りの駅の終電の時間
スタッドレスタイヤを使用する期間
総鉄道距離
●快適度
平均気温
積雪量
雪かきする日数
地震発生数
福島第一原発からの距離
映画館、コンサート会場、スポーツ観戦施設の席数
住民ひとりあたりのコンビニ、スタバ数
●富裕度
エンゲル係数
失業率
●住宅水準充実度
最寄りの鉄道駅までの所要時間
●その他(主に教育水準)
住民ひとりあたりの東大・京大合格者数
住民ひとりあたりの国公立医学部定員数
住民ひとりあたりの大学定員数
住民ひとりあたりの論文数
住民ひとりあたりの特許数
住民ひとりあたりの五輪選手数
住民ひとりあたりの国宝数
なんていうのが思いつくわけです。これを全部反映させろとは言いませんが、利便度など、金沢からさらに電車でひと駅なんていう市が全国1位になるはずがなく、ったくどうしようもねぇなぁ、と思ってしまいます。
どうでも良いんですけどね(笑)。