オーストリアの人達は、みんな勝手気ままです。他の人が何をやっていようが、外人が見たこともない傘を使っていようが、ほとんど意に介しません。でも、地下鉄の切符の買い方がわからずに困っていると、すぐに助言をしてくれます。道に迷っていると、親切に色々と教えてくれます。電車にお年寄りが乗ってくると、若い人はすぐに席を譲ります。良い意味で無関心であり、良い意味で注意力があります。
制度で規制するよりも、何かあったときにペナルティを課す方向で考えるようです。なので、道路も、地下鉄の通路も、果ては地下鉄の中でまで、キックボードで行き交う若者がいます。地下鉄はほとんどが自動化されていて、駅員はほとんど配置されていませんし、改札もありません。飲酒運転も軽度ならありだそうです。その代わり、街のあちこちに監視カメラがあります。何かあったときの証拠に使うのでしょう。
ウィーンにはほとんど駐車場がなく、みんな、道端に停めています。自分が住んでいる州だか、県だかの内部にいる限り、駐車禁止にはならないそうです。もちろん、「ここには停めちゃだめだよ」という場所はあるのでしょうが。オーストリアで車を運転する人はあまりいないと思いますが・・・。
街中なんだかんだでフリーのWi-Fiがあります。セキュリティを気にしないのであれば、観光客が大勢いる場所では、ネット接続で全く困ることがありません。
日本人が一番困る「チップ」ですが、ユーロなら下一桁を丸めれば十分なようです。たとえば、7.2ユーロなら8ユーロに、62.3ユーロでも63ユーロで良いようです。ただ、.5を超えている場合、つまり、7.7とか、7.8ユーロなら、9ユーロ、62.8ユーロなら64ユーロのほうが良いようです。もちろん、65ユーロにすればとても喜ばれます。中には78.8ユーロだったところ80ユーロ支払ったら、90ユーロ要求するようなカフェもありましたが、これは現地の人に言わせても「おかしい」そうです。
スーパーで売っている魚には、「太平洋の魚ではない」と明記されています。当然のように、福島の影響は色濃いです。「太平洋の魚は放射能汚染の可能性がある」という雰囲気にはどうしたって反抗できません。別に、わざわざ食べる必要はないのだし。
理由はわかりませんが、かなりの確度で、日本人と中国人・韓国人を見分けています。今回は、一度も他国人と間違われることがありませんでした。オペラ座の前では何度もコンサートを観に来ないかと誘われましたが、必ず「コンニチハ」と話しかけてきました。僕たちは顔つきでかなりのところまで判断ができますが、オーストリアの人たちは「団体行動をしていない」とか、「でかいかばんを持ち歩いていない」といった行動様式で見分けているのかも知れません。ちょっと、このあたりまでは調査することができませんでした。
オーストリア人の英語はとても聞き取りやすいです。米国語が母国語の人や、フランス訛りの英語は僕にとってかなりハードルの高い発音ですが、ドイツ語圏の人々の話す英語は総じてわかりやすいと言えます。また、ほとんどすべての場面でドイツ語と英語が併記されていたので、ドイツ語がわからなくても全く問題ありません。
日本人にとっては、とても居心地の良い国だと言えます。