道具

「こうやって描きます」と言って、サラサラサラっと。一度ベンガラをつけたら、随分長く線が引ける。

手袋は、手の脂でベンガラのノリが悪くなるのを防いでいるとのこと。

単語帳に細かく字を描いて、「このくらいは描けるくらいに目が良い」とのこと。


何描いているんだろうな、と思ったら。

もう、名人芸とかのレベルを超えていて言葉にならない感じ。



いや、濃密すぎて疲れるくらい。赤絵が好きなら必見。
それにしても、武山さんが「僕たちは芸術家じゃなく工芸家だから、椅子に座って地道の線を引き続けることが大切」と語っていたことが印象深い。持って生まれた才能も大事だが、努力はそれ以上に大切ということだと思う。武山さんがデモンストレーションで描いていた線の一本一本はとても細いけれど、その背後には膨大な時間の積み重ねがあって、他の人には到底追いつくことのできない重さが感じられる。その武山さんの貴重な時間を割いて描いた作品を持っていることは、とてもありがたいことだと再認識することができた。
九谷赤絵細描 福島武山展
2015年10月6日〜27日
平成記念美術館ギャラリー
開館時間 10:00〜18:00
日曜休館
03-3426-1103
156-0053 東京都世田谷区桜3-25-4