全体として、非常にヴァラエティに富んだ内容になっている。激しい曲あり、昔のような曲あり、おもしろおかしくイントネーションをつけた曲あり、という感じで、これまでの中島みゆきの足跡をごちゃっとまとめたような組曲になっている。何が良いって、テレビドラマの主題歌や夜会からの曲がひとつも入っていないのがまず最高。やはり、夜会は夜会、主題歌や提供曲はシングルコレクションや提供曲コレクションにまとめているのだから、オリジナルアルバムはそれらとは完全に独立して仕上げて欲しい。
録音がなかなか良く、最近アンプを僕としては奮発してYAMAHA A-S1100に買い換えたこともあって、音にもとても満足。というか、このアンプにしてから中島みゆきばかり聴いているのだが(笑)。あー、アンプを買い換えて良かったなぁと思ったのだが、カーステレオで聴いてみてもそれなりに良い音だったので、そもそも録音が良いんだと思う。
メロディラインや曲調から、過去の曲を連想する作品もひとつやふたつではなく、中島みゆきらしさがきちんと表現されていると思う。だが、このアルバムはどちらかというと詩の方が重視されている感じ。「流浪の詩」などに代表されるオチのある歌詞もある。
このアルバムだけでコンサートをやっても文句が出ないんじゃないかと思うような内容だと思う。「あ・り・が・と・う」のように、発売されてから30年近く経ってみて良さがわかってきたアルバムもあるので何とも言えないのだが、数日聴いた限りでは傑作の予感がする。
ちなみに3曲目のライカM4は長いことタッグを組んできたたむじんこと田村仁氏の愛機とのこと(某所で本人から教えてもらった)。
1. 36時間
2. 愛と云わないラヴレター
3. ライカM4
4. 氷中花(ひょうちゅうか)
5. 霙の音(みぞれのおと)
6. 空がある限り
7. もういちど雨が
8. Why & No
9. 休石(やすみいし)
10. LADY JANE