2016年02月26日

今、日本橋三越は焼物いっぱい

今、三越に行くとなぜか焼き物が見どころいっぱいである。

七階に行くと、まず別館で「超絶技巧 世界を驚かせた焼物 吉兆庵美術館蒐集 眞葛香山展」をやっている。宮川香山の作品がこんなにたくさん岡山に行っていたのかとびっくりした。デパートの中にある美術スペースなので狭くてすぐに見終わってしまうのだが、MIカードがあれば無料だし、サントリーの宮川香山展の前に予習しておくのにはちょうど良いかも知れない。

続いて、本館に移ると、九谷焼の展示をやっている。大御所たちがそれぞれ大作を出しているので、九谷焼の全体像を把握するのには便利。

場所を六階に移すと、「長瀬 渉 作陶展 〜 陶日記 〜」をやっている。魚をモチーフにした作品を中心にしているようで、初めて観たけれどなかなか面白い作風だった。この手の展示では安いものから売れていくものだけど、この作家さんの作品は高いのから安いのまで満遍なく売れている感じだった。

六階のメインは「青瓷・桃花瓷 木村展之 作陶展」で、僕はこの手の磁器はあまり買わないので良くわからなかったけれど、雰囲気は良かった。

さらに下に降りて五階へ行くと、白白庵さんがラーメン丼特集をやっていた。参加している作家さんはいつものおおなじみだけれど、一番ラーメンどんぶりとしてしっくり来たのは伊藤千穂さんの作品。彼女の作品は先日の伊勢丹でもたくさん観たのだけれど、非常に味が良い。姿形がオーソドックスなのも良い。作り慣れていないのか、ラーメンのどんぶりとして実用上どうなのか、という作品が多い中、一番使い勝手が良さそうだった。他に面白かったのは富田啓之さん。彼の作品はぐい呑を持っているのだけれど、ちょっと違った作風でいて、きちんと富田カラーが出ていた。ただ、どんぶりとしては主張し過ぎで、ラーメンを食べたら、完全に器が勝ってしまう。ラーメンを食べさせる感じではなく、他の用途で使ったほうが良さそうだった。特に12万円のキンキラの器は、メダカ鉢とかにどうかと思った。北井真衣さんも安定の作品を出していた。

これで終わりかと思えばそんなこともなく、九谷の若手の作品も五階で展示されていた。個人的にかなり推している井上雅子さんが、猿、サイ、フクロウといった、これまでの本流だったカエルや龍以外の動物を色々描いていたのが良かった。

これでもまだ完全には観ていなくて、26日と27日には九谷赤絵の有生礼子さんの実演もあるみたい。月末までは見どころいっぱいの三越である。

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