川越の「うつわノート」で牟田陽日さんの個展が始まった。僕は整理券制があまり好きではなく、朝早く(場合によっては前日から)並ぶよりは抽選にして欲しいタイプの人間で、金曜日の見附正康さんの展示も開場後に訪れた(もちろん、購入できなかった(笑))。しかし、川越という僕の縄張り(笑?)の中でもあり、鹿島槍の蕎麦打ち会に来ていただいたり、僕が石川に遊びに行った際には能美の案内をしていただいたりと、大変お世話になっている方でもあるので、ここは意地でも一番乗りする必要があった。ということで、柄にもなく、前日の22時頃にまず偵察に行ってみた。この時点でギャラリーの前には誰もいなかったので、とりあえず一度家に帰って(車で30分弱)、早朝にもう一度訪問した。暖かいお茶、充電十分のiPad、折りたたみ椅子と、完璧な体制で向かい、無事、先頭となったので一安心だった。開店時間の前には3人が並んだのだが、みんな整然と入店したので、作品をゆっくりと見ることができた。これは本当にありがたい。最近の人気作家の個展は殺伐とした雰囲気で、開廊直後から争奪戦が繰り広げられるので、作品選びも楽しくないことが多い。
とはいえ、そこは人気作家。のんびりしているとどんどん赤丸がついていくので、決めるときは決める必要がある。まず、ぱっと目についたのがこの馬上杯(今回の写真はiPadなので、画質が悪いです。後日、撮り直します)。
牟田さんの好きな暖色系である。個人的には彼女の作品は青や緑といった寒色系のものが好きで、コレクションもそういうカラーのものばかりだったので、今回はこれをキープ。22,680円。
続いて、お手頃価格で普段使いの器を作りたい、という主旨で今回からはじめた転写もの。転写だけだとちょっとさびしいと感じたのか、部分的に上絵を塗っているようだった。「え?このサイズでこの価格?」と、牟田作品を見慣れていた僕としてはびっくりするような価格設定だったのだが、カレー用に2枚購入。8,100円と7,560円。
実は今回は予算として10万円を計上していたのだけれど、ここまででまだ4万円にもいかない。まだもう少し買い足せるなぁ、と思ったのだが、この時点で中国茶用なのか、小さめの急須とカップのセットなどがどんどん売れていた。蕎麦猪口はえにしら@東茶屋で買ったセットがあるし、カップ&ソーサーは紅茶やコーヒーをほとんど飲まない我が家では活躍の場がない。と、目についたのがなぞのカップである。
そこそこ大きくて、赤絵がデザインされている。全然タイプが違うのかも知れないけれど、僕が好きな漫画家、「蟲師」の漆原友紀さんみたいな画風に見える。これならヨーグルトを食べるときのメープルシロップ入れとして使えそうだ。ということで、これを追加。12,960円。
トータルで5万円ちょっとなので、予算的にはまだまだ買い足せるのだが、店内は常連さんが半分ぐらいで、地元の人などもちらほら見受けられる。片っ端からいいものを買い占めてしまっては興醒めなので、ここは個人的第一シードの馬上杯を確保したことで満足すべきだろう。
ということで、今回はここまで。帰りがけに玄関で見つけた心臓の形の花器も相当興味があったのだけれど、我慢することにした。
あまりに高くなってしまうと使うに使えなくなるので、今回のような作品の展示は本当にありがたい。アート志向なコレクターにとってはちょっと物足りなく感じるのかも知れないのだが、僕は大満足で帰路についた。近所ということもあるけれど、ここで定期的にやって欲しいなぁ。
牟田陽日 〜九谷未来形〜
2016年3月5日(土)〜14日(月) 会期中無休
営業時間 11時〜18時
作家在廊日 3月5日(土)・6日(日)
ギャラリーうつわノート(〒350-0036 埼玉県川越市小仙波町1-7-6)