神田から南浦和へ行こうとしたら、ホームで電車が停まっている。はて、どうしたのかな?と思ったら、人身事故らしい。電光掲示板を読むと「神田駅で人身事故発生」とのこと。ここじゃん。真っ昼間に迷惑だなぁ、と思っていたら、「この列車で人身事故です!」と駅員が怒鳴っている。この電車に飛び込んじゃったのかよ。
そう思ってみていると、駅員の皆さんがホームと車両の間を一所懸命覗き込みながら行ったり来たりしている。畳まれたブルーシートを手に右往左往している駅員もいる。まだ、死体がどこにあるのかわからないようだ。
ちょっとしたら、若い女性の駅員が「五号車っ」と怒鳴りだした。どうやら見つかったらしい。こういう時に先頭に立つのが若い女性というのだから一億総活躍社会も伊達ではない。
こういう生々しい現場に遭遇したのは初めてだったので、試しに先頭車両を観に行ったのだが、どこにもキズらしいキズは見当たらない。車両、硬いな。
ということで、全く動く気配がない(というか、車両の中の乗客も降りることができないでいた)ので、JRの改札を出て、銀座線に乗り換えた。
ちなみに、一番活躍していたのは鉄道オタクと思われるお兄ちゃんで、ホームにいたおばさんに一所懸命、詳細を説明していた。その内容が、まるで駅員みたいな専門的なものだったので、オタク、大活躍だな、と感心した。似たようなものをよく見かけるなぁ、と思って思い返してみると、雪道でスタックして立ち往生している車を見つけるたびにワイヤーやら、スコップやら、大量の道具を持ち出してきて救助にあたるパジェロの運転手である。せっかく準備しているのだから、活躍できないとね。
でも、すぐそこに死体が転がっているというのに、みんなわりと普通なんだよね。まぁ、僕もだけど。