2016年03月21日

僕だけがいない街

bokumachi


邦画の楽しみの一つに、「どこの馬鹿がこんな作品を作っちゃったんだろう」と疑問に思うようなひどい作品を見つけることを挙げることができるのだが、そういう楽しみを持っているタイプの人間にはぜひおすすめしたい映画である。

とにかく、脚本と演出(=監督)が酷い。こんな演技を要求されてしまっては役者が気の毒である。いや、もしかしたら、監督より役者の方が力が強く、監督は嫌々こんな演出をしてしまったのかも知れないのだが、とにかく酷い。「お前、その場面では立ち上がらないだろ」と言いたくなる場面や、百万人いても、その場面でそのセリフは誰ひとりとして吐かないだろ」と突っ込みたくなる場面がてんこ盛りである。また、不自然に唐突なセリフも多く、それが何かの伏線になっているのかと思えばそんなこともなく、単に不自然なままで終わったりする。その状況でそこから落ちて、なんで生きてるんだよ、お前はバケモノかよ、というシーンまである。ヒロインとか、異常に勘が良すぎてエスパーみたいだし、一方で主人公は肝心なところでお粗末な行動原理で、事態を悪化させていく。

怪しい人間が一人しかいなくて、「こいつじゃなかったら、真犯人は誰なんだよ」と思ってみていたら、一番怪しい奴が真犯人で、あさちゃんじゃなくてもびっくりぽんである。

良いところは一つもないかといえばそんなこともなくて、子役たちはみんな頑張っている。そういう様子を見ていると、やはり悪いのは監督じゃなくて別の誰かなんじゃないかと邪推したくなるのだが、内部情報を知ることができないので何とも言えない。

一年に数作はこのレベルのクソ映画が作られるので、邦画鑑賞がなかなかやめられないのだけれど、一身上の都合で来月からこの楽しみを満喫できなくなるのが残念である。

評価はもちろん☆ゼロ。

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