2016年05月11日

米国が「ここだけはまちがいなく日本より格段に進んでいる」という点

なんでもかんでも米国がスゲェ、というわけじゃないんだけど、つくづく感心するのは車椅子に対する配慮が行き届いていること。おかげで、街中はあちこちに車椅子の人がいる。特段の装備もなしに電車にも乗れるし、バスにも一人で乗れる。バスの乗降はその度に専用の橋渡しがウィーーーンって出てきて段差が解消される仕組みなので当然のように時間がかかるのだが、文句を言う人は一人もいない。

見たのはワシントンとニューヨークだけなので、田舎は知らないんだけど、車椅子への対応は日本は相当遅れている。お金があったバブル期、日本の街並みは凄く綺麗になったけれど、障害者への配慮は不足していたようで、あちこちがバリアフリーじゃないものね。50%バリアフリーでも意味ないんだよなぁ。

ワシントンで暮らしていると、電車やバスが頻繁に遅れる。時間通りに来るバスもあるけど、遅く来るのは日常茶飯事だし、早く来たバスがまだ出発時間になっていないのに出て行っちゃったりする。これが全て障害者対応のせいとは言わないけれど、車椅子の乗降を待っていると、時間通りの運行なんてできないんだよね。だって、凄く時間がかかるから。少なくとも、秒単位の運行を実現している国では、大勢の車椅子利用者に対応することは不可能。日本の公共機関が厳密な運行を実現しているのは確かに素晴らしいことなんだけれど、今のままでは得にくいものもあって、しかもその「規則正しさ」は別の意味での「望ましい社会」実現に向けてバーターとなる可能性が高い。

電車やバスの規則正しい運行の実現は障害者たちの社会進出の妨げになりうることを、多くの国民が想像する必要がある。

でも、少なくとも、

「やりとりに時間がかかる」などとして、出席に反対した

出典:審議にALS患者の出席拒否 与党が反対
http://mainichi.jp/articles/20160511/k00/00m/040/149000c

として障害者が国会への参加を妨げられるような国では、到底無理な話である。

この記事へのトラックバックURL