東京国際フォーラムで始まったアートフェア東京に行ってきた。
GEISAIに比べるとかなり成熟した感のある作家が中心なので、混沌とした勢いはそれほどでもないのだけれど、なかなか面白かった。僕が作品を持っている作家さんだと、上端さん、牟田さん、水元さんあたりの作品がいくつか。特に上端さんの壺は過剰に書き込みすぎず、それでいて手数は多く、これからの活躍が期待できそうな仕上がりだった。
他に好みの作家さんとしては、今井瑠衣子さん、吉田潤さんあたりが気に入った。あと、なぜか僕が自分で作るときに良くお手本にしている乾山の皿、五客揃いがあった。へぇ、こんなところでも見ることができるんだ、と驚いた。
3月に牟田さんの個展を開催したうつわノートの松本さんとバッタリ出くわしたので、少し立ち話をした。うつわノートでは今週末から僕の好みの染付の作家さんが個展をやるので、来週あたり、訪問予定である。
トータルで言うと、僕の射程距離に入るような作品は軒並み売約済みで、赤丸シールを眺めるような感じだった。
アートフェアとして意味不明だったのは三越のブースで、牟田陽日さんの作品が二つあるはずだったのに、なぜか一つしか見当たらない。三越の案内にも写真が載っているのにおかしいなぁ、と思って三越のスタッフに質問してみたら、「前日のファーストチョイス(お得意様と出展者、関係者のみが参加できる特別内覧会)で売約がついたので下げた」と説明された。つまり、三越としては作品が売れれば満足で、作家の売り込みなどはどうでも良い、ということだ。そんなスタンスならアートフェアになんか参加せず、自分のところでやっていれば良いのに、と思った。まぁ、そんな姿勢だから伊勢丹に吸収されちゃったんだろうけど。普通に2500円のチケット代を払っていたら、ちょっと納得できないと思う。みんながみんな三越みたいな姿勢だったら、一般入場の時にはお手頃な作品は全部消えていて、スッカスカのアートフェアになっていただろう。三越のスタッフにはそういう想像力が働かないのだが。
ちなみに伊勢丹あたりだと「会期中は展示させていただけませんか?」とお願いされるし、他のところだと「箱がまだなので、箱が出来次第郵送でお願いできますか?」と相談されることが多い。箱は大体会期終了時に完成するのがお約束(笑)。
いつもお世話になっている銀座の万画廊さんはカザフスタン在住の異色の作家さん、宝居智子さんの作品を展示していた。宝居さんは子供、蝶、草花を描いていた作家さんだけど、今回は子供が女性に成長していた。僕としては、5〜10歳ぐらいと思われる子供たちよりも、今回の18歳ぐらいに見える女性の方がずっと魅力的に見えた。以前が可愛いなぁ、だったら、今回は素敵だな、という感じ。売れ行きも好調だったようで、画廊の伊藤さん、宝居さんともに手応えを感じているように見えた。