ヘプバーンの比較的後期の作品。午前十時の映画祭でやっていたので観てきた。
「しゃべり方を聞くだけでその人の出身をピタリと当てる」という教授のキャラクター設定だけで勝ったも同然の作品。その上に冒頭のシーンだけでも「ずいぶん工夫しているなぁ」と感じてしまうカメラワーク、どんどん変わっていくヒロインへのしゃべり方や歩き方などの仕草への演出と、古い映画ではあるものの、逆に様々な工夫で客を楽しませようとする様が見て取れる。
もともとがミュージカル作品なので、舞台変換は少なめ。劇場まで足を運ばずに、映画館で誰でも楽しめるように、という意図だったのかも知れないが、こうして名作として今に残っているのだから企画は大成功だったと言えるだろう。
ヒロインの歌が差し替えだったのは惜しいところ。
サウンドオブミュージックも同様だが、この時代の映画は異状にスピーディで、どうしてそうなった?と突っ込みたくなるような部分があると思えば、このシーンにこんなに長い尺が必要?と思ってしまうくらいに冗長なところもあったりする。この辺が許されたのは時代のおかげかも知れない。今だと難しい気がする。
170分、きちんと楽しめた。☆2つ。