2016年08月26日

シン・ゴジラ

米国に引っ越して、一番影響が大きかったのが映画関係の環境である。当然ながら、邦画を観る機会が激減した。ということで、日本に来るにあたっての大きな目的の一つが、この作品の鑑賞である。

それなりに期待していたのだが、結論から言えばイマイチ。大ヒット上映中なのは喜ばしいことだが、ちょっと変化球過ぎた。日本のお役所仕事をデフォルメして表現していたあたりまでは元国家公務員としては笑いどころだったのだが、途中で飽きてしまった。

ゴジラという映画に何を求めるかなのだが、僕の場合は、何といってもゴジラが暴れるところを観たい。知っている街を徹底的に破壊していくところを観たいのだが、そのあたりはかなりあっさりしている。対応する人たちの人間模様も充実しているに越したことはないのだが、本作はちょっと中途半端に見える。今の日本が抱える問題点を盛り込んだと言えばその通りだが、それならもっと徹底的にやって欲しかった。役所から色々協力してもらっていたみたいだから、無理だったんだろうけど。

大量の登場人物たちの名前や会議名などが次々にテロップで表示される演出が最初のうちは面白いのだけど、やがて作り手にも読ませる意図がないことがわかってきて、眠くなってしまった。それだけ工夫して、効果は「中略」で笑わせるのが精一杯というのでは残念すぎる。

失敗作とまでは言わないが、本来のゴジラとは違うアプローチで、重厚さが全く感じられないのが残念だった。ウルトラセブンを期待して観に行ったら、ウルトラマンタロウだった、みたいな。比喩が古くてすみません。

評価は星1つ。

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