場面転換が非常に少ない、演劇的作品。一つ一つの細かいネタも演劇っぽくて、映画だとかなり物足りない。これは、演劇であれば生の役者の迫力で押していけるところ、映像作品ではそれが無理だからだ。小さい箱で演劇を何度か観たことのある人ならわかると思うのだが、演劇なら笑いを強要できる。笑うまでネタを繰り返すこともできる。しかし、映像ではそれができない。この辺の、映像作品の難しいところを、この映画の監督は理解していないのだろう。演劇と同じような作りに終始して、失敗している。
何と言っても、脚本の作り込みが甘い。映画だと、客の熱が上がっていないので、「こんなうまくいくわけないだろ」と白けてしまう。また、市村正親の芝居風の演技が完全に空回りしているのも痛い。これは市村が悪いのではなく、うまく演出できなかった監督の責任である。
主役は演技力がイマイチだし(丸山なんとかって、誰?)、石橋杏奈も、「LIFE」のコントならこなせても、映画となると演技力の点でかなり厳しい。
エンドロールのあとの短い映像で片桐はいりとかでてきたけど、監督って演劇の人なの?イマイチだったから調べるまでもないかな、と思ってスルーするけど。
素材は悪くないと思うのだけど、脚本と、監督と、市村正親以外の役者がだめなので、失敗作になった。これ、キャスト同じでも芝居なら面白い可能性がある。映画では全然ダメだけど。評価は☆ゼロのところ、市村の頑張りで☆半分。