2017年12月09日

オリエント急行殺人事件

推理小説の古典的名作の映画化なので、最大の問題点は多くの人が犯人を知っていることである。もちろん、僕も知っていた。

結論が分かっている推理小説ほどつまらないものはないのだが、何か新しい解釈があるのかと思って観に行ってみた。それで、その結論を書いてしまうとまぎれもないネタバレになるので公開初日に観た僕としては言及できない。そこを避けて書くなら、映像はすごく綺麗だった。背景や衣装を含めて美術が素晴らしく、金がかかっているなぁと感心した。金がかかっているといえば、俳優も一流どころが揃っていた。こういうのをゴージャスと言うのだろう。

ラストを避けつつ内容に言及するなら、一番残念だったのはやはり小説の内容を2時間ちょっとの映像に詰め込むのには無理があったということ。いろいろな推理が、どうも中途半端に感じられた。それと、殺人の場面。文章で提示されると「そうなのかー」と思うだけなのだが、実際に映像として目の前で展開されると、「これはちょっと無理があるんじゃないの?」と思ってしまう。

評価は☆1つ半。

ところで、この映画の原題はMurder on the Orient Expressである。murderは可算名詞だと「殺人、殺人事件」、不可算名詞だと「殺人」なので、このタイトルをオリエント急行殺人事件とするのは間違いじゃないだろうか。書籍だと「オリエント急行の殺人」となっていて、ちゃんと訳してある。あと、映画の字幕は松浦美奈。ここ10年ぐらいでは一番適切な字幕をつける作家で、フランス語もできる。この映画には適役だったと思う。