スポーツにとどまらず、たとえば勉強や音楽でも同じだが、人間は自分が好きでやっているときに一番上達すると思う。その点で、アメフトを楽しんで、日本代表にまでなるほどだった選手に、「楽しくない」「続けたくない」と感じさせるような監督の手腕が評価されているのはおかしくないか?この監督のもとで日本一になれるチームなら、他の監督ならもっと上を目指せそうだ。
内田正人という前監督は、有能か、無能か以前に、醜悪である。問題が起きてもなかなか表に出てこず、自分の言葉で語らない。コーチや大学当局と相談して、裏で自己保身のための小細工をする。責任を取ると言いつつ、「監督をやめれば良いんでしょ」という、不誠実な態度に終始している。そして、大学の役職について問われれば「それは別の話」とはぐらかす。これは、今の内閣総理大臣の安倍晋三のやり方にそっくりである。もっと言えば、鉄砲玉を敵対組織に突入させる暴力団の親分や、ゼロ戦で特攻させる旧日本軍の上層部の態度と同じだ。
百歩譲って監督の話が本当だったとしても、一度目のタックルで交代させるべきだったのにそれをしなかった罪は大きい。
安倍晋三絡みでも、少なくない人間が告発サイドにまわった。彼らは最初から安倍晋三の敵だったわけではない。蜥蜴のしっぽ切りよろしく、自分を切り捨てていく姿を見て「冗談じゃない」と考えたのだろう。
今回の問題も同じで、タックルをした学生が謝罪会見を開いて、監督、コーチ、大学を告発した。じゃぁ、彼はそれをやりたくてやったのか。もちろん違うはずだ。事実を捻じ曲げて、逃げ回り、自分に責任を押し付けようとする大人たちを見て、「私の責任はこれ」と線引きせざるを得なくなったのだろう。
まだまだ将来がある、タックルをした選手と、タックルを受けた選手を尻目に、逃げ回り、自己正当化に走っている姿は滑稽ですらある。特に、タックルをせざるを得なかった選手の態度とは対照的である。
また、その内田正人と一緒になって事態を悪化させている日大も情けない。大学が一番守らなくてはならない人間は、最も弱い立場の、タックルせざるを得なかった学生である。しかし、実際に彼らが守っているのは一番権力者に近い内田正人である。卒業生や在学生はどうしようもないだろうが、来年以降大学を受験する人たちはこの姿を良く覚えておいた方が良い。こんな大学でまともな勉強ができるのか、良く考えた方が良い。幸いにして、大学は他にも山ほどある。