2018年07月25日

日本で今秋開催されるフェルメール展

去年から今年1月にかけて、ワシントンDCのナショナル・ギャラリー(NGA)でフェルメール展をやっていた。NGAはもともと4枚のフェルメールを持っていて、そこへ8枚のフェルメールを集めたので、都合12枚を一気に観ることができた。もちろん、写真撮影可である。そのあと、時間をおかずに日本でフェルメール展が開催されるとのことだったので、どんなリストになるのか注目していた。ようやく全8作品(大阪のみ9作品)の全容が明らかになったのだが、重複しているのは半分だけだった。


NGAのフェルメール展
ヴァージナルの前に座る女(ロンドン・ナショナル・ギャラリー)
レースを編む女(パリ・ルーヴル美術館)
手紙を書く女(ワシントンDC・ナショナル・ギャラリー)
真珠の首飾りの女(ベルリン美術館)
天文学者(パリ・ルーヴル美術館)
地理学者(フランクフルト・シュテーデル美術館)
手紙を書く婦人と召使(アイルランド国立絵画館)
恋文(アムステルダム国立美術館)
天秤を持つ女(ワシントンDC・ナショナル・ギャラリー)
リュートを調弦する女(ニューヨーク・メトロポリタン美術館)
赤い帽子の娘(ワシントンDC・ナショナル・ギャラリー)


日本のフェルメール展
牛乳を注ぐ女(アムステルダム国立美術館、2007年来日済み)
マルタとマリアの家のキリスト(スコットランド・ナショナル・ギャラリー、2008年来日済み)
手紙を書く婦人と召使い(アイルランド・ナショナル・ギャラリー、2008年、2011年来日済み)
ぶどう酒のグラス(紳士とワインを飲む女)(ベルリン国立美術館、日本初)
●赤い帽子の娘(ナショナル・ギャラリー、日本初)
●手紙を書く女(ナショナル・ギャラリー、2008年、2011年来日済み)
●真珠の首飾りの女(ベルリン国立美術館、1984年、2011年来日済み)
●リュートを調弦する女(メトロポリタン美術館、2008年来日済み)
●恋文(アムステルダム国立美術館、大阪のみ、2000年、2005年来日済み)
(●はNGAとの重複)


重複していない作品のうち、4枚中3枚は見たことがあって、見たことがないのはベルリンの「ぶどう酒のグラス」だけである。ベルリンは写真撮影可能なので、日本で大行列してみるよりも、ベルリンへ行った方が良いな。よし、フェルメール展はスルーだ。

ところで、もう終わってしまったことなんだけれど、NGAでやっていたフェルメール展はすごく良かった。米国の美術館としてはそこそこ混雑していたけれど、ゆっくり写真撮影できるぐらいの混雑だったし、枚数も12枚と日本よりも多かった。あと、無料。ニューヨークまではメガバス利用で片道5ドル(4時間半)なので、日本からニューヨークへ行って、ニューヨークステイ、ニューヨークでメトロポリタンの「眠る女」「少女」「水差しを持つ女」「信仰の寓意」(ちなみに今年の3月までは自己申告だったのだが、今は大人25ドル。いくらでも良いと言っていたら、みんな1セントしか払わなかったんだろうね(笑))、フリック・コレクションの「士官と笑う娘」「中断されたレッスン」「婦人と召使」、合計7枚を見て、バスでワシントンDC日帰りしてNGAの12枚を見れば、5日間程度の行程で一気に19枚のフェルメールを鑑賞できた。もともとフリック・コレクションは門外不出なので、ここに収蔵されている3枚を見たければニューヨークに来るしかない。航空運賃は安いところを探せば東京ーニューヨーク往復で8〜12万円程度だろうから、大混雑の日本の美術館でヘトヘトになって8枚を、しかも遠くから鑑賞するよりは、ずっと良かったのではないだろうか。