2011年版テレビドラマ火車を見た。
監督は「探偵はBARにいる」を撮っている橋本一なので、テレビドラマとその延長線上にある映画が主戦場の人である。それほど悪い印象はないのだけれど、この作品のラストはいただけない。
宮部みゆきは「火車」のラストを最初に決めて書き始めたというし、原作者最大の、こだわりのポイントのはず。つまり、本当の意味でのクライマックスである。そこを、原作とは違う形で仕上げてしまっては話にならない。
もちろん、原作に忠実に描けば、視聴者には伝わりにくいところもある。一冊の本を2時間に押し込んでいるので、全編通じて言葉が足らず、その分、補足したくなる気持ちもわからないではない。しかし、それでもなお、このラストはいただけない。ラストシーンこそ、脚本家と監督の手腕が問われる作品だったはず。僕は監督ではないから、じゃぁ、どうすれば正解だったのかと問われても答えはないのだが、これじゃぁイマイチ、これは間違いない。