2019年01月11日

三度目の殺人

ようやく三度目の殺人を見ることができた。

サスペンス、推理ものの領域なのだろうが、監督のメッセージは別のところにあるようだ。

以下、ネタバレ注意。


映画の中では、誰が殺したのかは明らかにならない。それは、「真犯人は、弁護士も、検察も、裁判官も、誰も知らない」からである。真実は明らかになっていないのに、裁判は進み、合法に三度目の殺人として被告が死刑になる。

現実を知らないので何とも言えないのだが、監督は、現代の裁判制度が抱える問題を指摘しようとしているのかもしれない。では、はたして現実はどうなのか。現役の関係者の意見を聞いてみたくなる。

それにしても、ちょっと違和感が残るのは、三隅が「俺はやってない」と言い出した途端に、「では、誰が殺したのだ?」という疑問がわくにも関わらず、誰もその追求をやらないことだ。そして、もしその追求があれば、一番最初に疑われるのは間違いなく咲江で、そうした事態を招きかねない発言を三隅がするのか、という疑問がわく。このあたりは、話を複雑にした結果、当たり前の行動を誰もやらないという事態に陥ってしまった感じがする。

面会シーンの撮り方など、技術的に面白い場面もあり、ストーリー以外でも楽しむことができた。評価は☆2つ