2019年02月26日

AI時代の将棋

ワシントンDCの将棋好きの集まりに呼ばれるようになったのは良いのだが、いつも決勝、準決勝で負けてしまうので、ちょっと悔しく思って、自分の得意戦法をブラッシュアップすべく、ネット将棋をやってみた。やっているのは将棋ウォーズで実戦をして、ぴよ将棋で実戦譜について検討するという勉強なのだが、少々まじめに勉強して、二つのことに気が付いた。

まず将棋を勉強するという面でいうと、何が違うって、疑問が一発で解消するのがすごい。敗着はなんだったのか、気になる局面での形勢はどうなのか、候補となる手の評価はどうなのか。これまではみんなで集まってあーでもない、こーでもないと検討していたことが、全部答え一発なのである。これは、棋力アップを考えると、効率化という面で革命的である。また、意外と多いのが、接戦において優劣が乱高下することである。これはお互いの詰みをお互いに読み切れず、手番の方が勝ち、という局面がかわりばんこに登場するのである。詰将棋の力は重要だ。

それから、プロの将棋の見方も変わった。タイトル戦などを見ていて感じたのは、人間よりも強いAIの登場によって、将棋は「良い手を指すゲーム」ではなくなって、「悪い手を指さないゲーム」になった。将棋は、素晴らしい手を指すことによって優勢となるのではなく、悪い手を指すことによって(あるいは相手に良い手を指させてしまう隙をつくることによって)、形勢を損ねるのである。だから、観戦は、AIによる評価値を見ていて、「あ、悪手だ」、「あ、悪手を正確に咎めた」、と感想を言う場に変容した。これは、良い意味でも、悪い意味でも、将棋の楽しみ方を大きく変えてしまった。

さて、自分の棋力は、というと、20代の頃に比較して、絶対的な棋力はアップしていると思うのだが、相対的な棋力はダウンしていると感じる。つまり、まわりが強くなった。昔は普通にアマチュア3段だったのだが、今は将棋ウォーズでも2段がやっとである。

とりあえず、次の大会では頑張りたいものだ。