2019年10月04日

人間失格 太宰治と3人の女たち

太宰治の文学作品は素晴らしいけれど、人間はクズなので、その最後の数年を観てもこれといった感慨はないのだけれど、とにかくモテモテなのがすごい。でも、それだけ。

監督は蜷川実花で、例によって色彩と音楽の表現だけは特徴的だけれど、だから何?という感じ。色彩に特徴があるので、すぐに誰が撮ったのかは察しがつくのだが、それ以上でも、それ以下でもない。脚本もイマイチで、眠くなる。

看板になっている宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみは、乳首を見せた分だけ二階堂ふみの存在感が光るけれど、素材を無駄遣いしている。っていうか、おっぱい見せるなら、三人とも見せろよ、と思う。

坂口安吾や三島由紀夫もせっかく登場しても十分な役割を果たすわけでもなく、最近の20代が坂口安吾を知っているかも疑問である。堕落論と斜陽がほぼ同じ時期に完成していることなどは相当に文学史に詳しくないとわからないだろう。

もちろん、全部を説明する必要はないし、知っている人は知っている、という姿勢でも構わないのだが、要求水準が高すぎる気はする。

この人はいつまで映画を撮ることができるんだろうな、というのが個人的興味になるだけの映画だった。評価は☆ゼロのところ、二階堂ふみのおっぱいに半分プレゼントして、☆半分。