映画館で観るのは35年ぶりだろうか。実はテレビでもビデオでも初見以来観ていなかった。
もちろん観ていなかった理由はあって、ラスト近くで死んだはずのナウシカが蘇生するのが納得できなかったからだ。
新型コロナのせいで新作公開が減ってしまい、過去の名作を再映する動きがあって、ジブリものも4作品が再上映されることになったので、折角だからと観に行った。
この作品が公開された頃僕は高校生で、アニメージュの連載漫画も読んでいた。連載が一時中断して、映画が漫画完結の前に上映されたのだが、どうも納得のいかないラストだった映画よりも、上映が終了したあとに完結した漫画版ナウシカの方が好きだった(これは「アキラ」でも同じ)。
しかし、今回観てみて、まず「一度死んだはずなのに」というのが誤解だったと分かった。確かに強く暗示はされているものの、誰かが脈を取って「ご臨終です」と宣告したわけではなかった。これまで何人もの人に「あの生き返るラストは納得いかない」と言ってきたので、僕とこの話題で話した友達たちには申し訳ない。
王蟲に怪我を治癒させる特殊能力があるのは少々疑問が残るのだが、この程度は受け入れるべきだろう。
その上で、通してこの作品を観てみると、色々な良いシーンがあって、ラストまでのストーリーも良く、声優たちも魅力的だった。
演出では飛行機のシーンなどがうまいなぁと感心した。
声優に関して個人的にツボだったのは、まずクシャナの榊原良子が翌年ゼータガンダムでハマーン・カーンを演じていて、その演出がそっくりなのが面白かった。ちょうど今NHKでリマスター版が放映されている「未来少年コナン」と共通している声優が何人かいるのも面白かった(クロトワがレプカとか、ミトがダイス船長とか)。
漫画の三分の一ぐらいのところを無理やり映画化して完結させてしまったので、予定調和な部分があるのは否めないのだが、十分面白かった。
評価は☆2つ半。これ、三部作でリメイクしたら傑作になりそう。