ご存知のように、僕は三菱総研と経産省で色々な評価を重ねてきたプロである。加えて、ラーメンやとんかつといった客観的評価が難しい対象について趣味で評価を続けてきている。人生の半分ぐらいを評価で費やしてきた。そういう人間から、三浦瑠麗という素人が披露した辛口採点がどうしてダメなのか書いておく。
出典はこちら。
【ポスト安倍を辛口採点 三浦瑠麗】“哲学者”岸田3.0、“一匹狼”河野2.5に対し、菅、石破が3.5の理由は?
https://news.yahoo.co.jp/articles/646e35ee47eef2f21b34f3584acdb33b572938e2
評価をわかりやすく簡単にするのは、指標を選んで、その客観的数値で比較することだ。最近で言えば、新型コロナのPCR検査などは、サービスを提供している会社ごとに特異度や感度で比較すれば良い。なお、こういう客観的指標で比較する場合も、指標間でどういう重み付けにするかなど、検討が必要になる場合もある。
評価は客観的指標が多いほど簡単で、主観的指標に頼らざるを得ない場合は難しくなる。また、主観に頼る場合は、なるべく客観的に見えるような工夫と、指標間の調整が必要になる。
例えば僕はラーメンを麺、スープ、チャーシューの完成度で、主観で三段階に分類し、それぞれの要素に1〜3の素点を与え、
(麺)×(スープ)+(チャーシュー)ー2
によって点数を算出して、その点数で比較している。
詳細はこちら
http://www.netlaputa.ne.jp/~buu/hyoukahouhou.html
あるいは、最近だと宇都宮の餃子について似たような評価をしたことがある。
ラーメンととんかつの評論家が宇都宮の餃子専門店7軒を食べ歩いた結果
http://buu.blog.jp/archives/51589783.html
ポイントは、どうやって指標を選び、どう処理するかである。また、個人の主観に頼る場合は、その主観の確からしさを主張すると同時に、他の個人が同じ手法で評価できるように、その手法を詳にする必要がある。つまり、どこかの誰かが「お前の主観的評価は納得がいかない。俺が評価するならこうだ」と指摘できる必要がある。評価を参考にする第三者は、どちらの主観がより確からしいかを判断すれば良い。
では、今回の三浦瑠麗の評価はどうか。
数値を出してきて、一見客観的だが、内容を読むと全て個人の主観である。また、評価の指標も、世論調査の結果(これは主観の集合値で、客観的)、人脈、党内統治力、性格、話し方、バランス感覚、頑固さといった様々なものを持ち出すものの、対象によって選ぶ指標がバラバラで、指標間の重み付けなども全く不明である。あげく、最後の三人は「ただ、この3人の★はすべて2.5。茂木さんはフォロワーシップに課題があり、加藤さんも役所運営に手一杯で存在感を発揮できていません。西村さんは派閥の支持に課題があり大きな役所の大臣を務めた経験はないので、国全体をみる能力までは未知数です。」と、十把一絡げで適当に採点している。
複数の指標について主観で評価し、指標の取捨選択を主観で行い、その重み付けもちゃらんぽらんである。つまり、クソ。
ところで三浦瑠麗ってだれ?