グリコ森永事件をベースに、真相とそれにまつわる人間模様を、脅迫に利用された三人の子供を主として描いている。
まず、脚本(原作があるので脚色)が稚拙。「そんなこと言わない」「あまりにも不自然」というセリフが結構あって、映画に入り込めない。
監督の撮り方も特別な特徴があるわけでもなく、魅力を感じない。大した意味もなく時系列を入れ替えてみたり、ちょっとどうなのか。何かの効果を狙っているのかもしれないが、功を奏しているとは言えない。
全体のストーリーも、創作で書いた部分が実際の事件とあまり関連していなくて、何人かの死者がでたにも関わらず、事件との関わりを捜査されないという不自然さもある。不自然と言えば、「そのタイミングで電話がかかるか?」という場面もある。
何より、非常に不幸な登場人物がいて、その人物についての救いがない。おかげで後味が悪い。
評価は☆1つ。