秦さん原作ということで観てきた。ただし原作は未読。
監督と脚本家がダメなので、映画としては駄作の部類。
見所はハチ公前交差点の爆破シーンのみで、肝心のそのシーンもスローで繰り返し描写したおかげでアラが目立つ。みんな吹っ飛んでいる中でなぜか撮影中のスマホだけが平然と撮影を続けていたり、ものの密度が大きくて抵抗が大きいと思われる地表直上が一番影響が大きくて、それほど障害物がないはずの人間の頭のあたりが爆風による影響が少なかったり。「俺たち、こんな特撮できるんです」PRがしつこい。そういうのをさらっとやっちゃうから、「帝国の逆襲」のスノーウォーカーのシーンとか語り継がれるんじゃん。
脚本も、知らないはずの事実を知っている登場人物がいたりして、コナンがいたら「お前が犯人だ!」と指摘されそう。こういう会話はないよね、という場面も少なくなく、脚本家の能力不足が著しい。
画面上で3回ほど、活字で「監督、お前は下手くそだ」みたいに表示されるのもいただけない。「事件は現場で起きているんだ!」みたいに役者に語らせれば、内容が駄作でも人の頭の中には残る。役者を使わずに文字で語りたいなら、映画にする必要はない。
主犯はともかく共犯者がどうしてそういう行動に出たのかも説明不足で、意味ありげにわざわざ二度も見せた薬の袋もそれほど大きな意味は持たず、ラスト近くも、今頃そういう会話をするの?と不思議に感じる。ラストの顛末も全く納得できるものではない。尺的には十分余裕があったんだから、まだまだ表現できることはあったはず。
誰か応援している役者が出ているとかでなければ、観にいく必要はないと思う。評価は☆半分。
全然話は変わるんだけど、地震のあとに秦さんと麻雀をしていて、「登場人物に僕の名前を使ってくださいよー」って話したんだけど、本作に「もとき君」が出てきたのはその約束を果たしてくれたんだろうか?