西川美和監督の新作。
殺人罪で収監されていた元ヤクザの社会復帰のストーリー。冒頭、懲役10年だったのに、収監13年だったところから、主人公が何かの問題を抱えていることがわかる。
それ以後は、真面目で弱いものいじめが嫌いな、それでいてキレやすく、怒ると我を忘れてしまう主人公のエピソードが綴られていく。どうしてそういう性格になってしまったのか、自分探しを始めるあたりから映画はだんだん落ち着きを欠きはじめる。
循環器に問題を抱えつつ、偏見のない周囲の人たちに支えられ、少しずつ社会との「落としどころ」を見つけていくのだが、ストーリーが進んで、仕事を見つけたあたりから「この作品はどういうラストを迎えるのだろう。主人公には幸せになって欲しいのだが・・・」と思うようになってきて、時間が気になる。
ラストは、想像できるもののうちの一つ。大きな驚きはない。個人的には別のラストでも良かったと思うのだが、それまであちこちに張ってあった伏線はこのラストへ向けて配置されていた。
役所広司を上手に演出していたところが良かった。評価は⭐︎2つ。
#分福が表示されるようになったのはこの作品から?前からあったかな?