2021年12月15日

浅草キッド

本作はNetflixで独占公開。こうなると二時間ドラマと映画の境目が良くわからないけれど、それはそれ。

ビートたけしの同名小説の映画化。劇団ひとりは「青天の霹靂」でも監督としての才能の一端を見せていたけれど、本作もなかなか良い。ラストの仕上げがイマイチなところも晴天の霹靂と同じ。また、十分な意図なしに時系列をいじるので、監督の独りよがりな部分が垣間見えるのだけど、大きなマイナスではない。

テレビを嫌う芸人と、その弟子のビートたけしの交流を描いている。師匠の深見千三郎を演じる大泉洋、ビートたけしを演じる柳楽優弥がとても良い。コントや漫才を題材にしているので、お笑いシーンが多く、映画を観ていても笑ってしまうのだが、それは柳楽優弥の演技力によるところが大きい。コメディアンではないのにコメディで笑わせている。

歌手の伝記映画なら歌唱シーンが何よりも大事だが、コメディアンの伝記映画ならお笑いシーンが何よりも大事だ。その辺を監督は良くわかっている。

最近色々出番が増えている門脇麦、ツッコミ担当で漫才をサポートする土屋伸之(ナイツの棒じゃない方)の存在感もあった。

もう、民放やNHKはドラマを作らなくても、Netflixにやってもらえば良いんじゃないだろうか。

評価は☆2つ。視聴を中断していたNetflixを再開するだけの価値はあった。