2023年01月22日

THE FIRST SLAM DUNK

スラムダンクについては「バスケットの漫画」という知識以外全くない状態で鑑賞。

まず感じるのは脚本の良さ。僕のようにほぼまっさらの白紙で観る人が少ないからかもしれないが、映画の中で語りすぎないのが良い。さすがに某登場人物の退場フラッグはあからさますぎだったけれど、それにしても詳細は描かれず、観る側の想像に任せる形だった。もちろんよくわからないところもあって、例えばロン毛の不良が7番やゴツいのでないことはわかっても、何番かはわからなかった。他にもこいつなんでスポンスポン3ポイント決めちゃうの?とかわからないことはあったけれど、原作の良さを損なわずに上手に映画化しているな、と思ったら原作者が脚本担当だった。

次に演出が良い。実写ならカメラワークに該当する場面の切り取り方がうまくて、このアングルがカッコいい、この角度から撮るなんてすごいアイデア、この撮り方がスピーディでいい、などと感心させられることが何度もあった。バスケというスポーツとその映像化について熟知していて、あぁー、これは原作の良さを見事に引き出しているな、と思ったら原作者が監督だった。ともあれ、最近観たドクターコトーとかイチケイのカラスの監督はこの映画を観て「映画の演出」のなんたるかを勉強した方が良い。

大きな疑問は湘北の選手がほぼ5人に限定されていたこと。バスケのみならずアイスホッケーなどもそうだけど、交代に制限のないスポーツでは交代要員も含めどうやって回していくかが勝負の肝になってくるはず。その選手起用の妙を見ることができなかったのは残念だった。設定で何か交代できない理由があったのかもしれない。

最後までどっちが勝ってもおかしくない展開で、試合のラストは黙って見守るしかなかった。この感覚を共有できた人はほとんどいないはずで、これまで全く白紙でいた僕が最大の勝利者かもしれない。

評価は☆3つ。