2023年03月19日

2023冬ドラマ反省会 その3 『ブラッシュアップライフ』

久しぶりに欠点の見当たらない良いドラマだった。

ベースはコミカルな会話劇。これは昔でいえばスーパー・エキセントリック・シアターあたりが得意としていた内容。でも、SETのように終盤で説教くさくならないところがとても良かった。

物語はまず主人公が33歳の時に事故で死ぬことで始まる。もう一度赤ん坊から人生をやり直せるという設定で、そのあと何度も事故で死んではやり直して、良いゴール=良い人生を目指していく。この、「良いゴール」がとても良かった。

最終話の前半では、それまで目指していた大問題の解決に向けて話が進むのだが、その顛末と、さらにはいろいろ広げてきた風呂敷の畳み方が見事というよりなかった。ネタバレありなら色々書けるのだが、やはりそこを書いてしまうのは野暮というものだろう。

ストーリーが秀逸で、そこに至るまでの会話や演出がとても良く、演じる役者たちも芸達者が揃っていた。

連続ドラマっぽい、一話ごとの積み重ねの結果全体が完成するというよりは、最後までのストーリーを完成させて、時間で等分して各回に仕上げたような編集も良かった。

日本のドラマにエミー賞のような賞があるなら、作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演女優賞あたりは堅かっただろう。

評価は☆三つ。