「最後の冒険」みたいな煽り文句は映画宣伝の常套手段だけど、この作品がシリーズ最終作になるのはほぼ確実。ハリソン・フォードもすっかり歳である。考えてみれば「レイダース 失われたアーク」を観たのは僕が中学生の時。「スピルバーグとルーカスが手を組んでやりたい放題」みたいな作品だった。「最後の聖戦」で一度完結しておいて、その後でファンへのプレゼントみたいにして2作が作られた。
本作は製作総指揮からジョージ・ルーカスが降りて、監督からスピルバーグが降りていて、権利もディズニーに移っている。新しく監督に就いたジェームズ・マンゴールドはJJエイブラムスほどあからさまではないものの、ところどころにスピルバーグのテイストを取り入れて、かつカーチェイスなどできちんと自分のカラーを出していた。ただ、ちょっとカット展開が早すぎて何が起きているのか良くわからないことはたびたびあった。
ストーリーは相変わらず考古学にオカルトをミックスさせたもので、お決まりのナチもちゃんと出てくる。過去作をきちんと踏襲していて、ところどころに過去作のパロディがあるのも伝統そのままだった。冒頭の30分は若い頃のインディアナが描かれているのだが、あれはどうやっているのだろう。過去の映像を加工しているのか、フルCGなのか。今はなんでもありの時代なのでちょっとわからない。
3作目と4作目、4作目と5作目の間がかなり長くあいているため、40年かけて5作はシリーズとしてはちょっと少ないのだが、その分質に大きな劣化が見当たらず、終わってみれば良いシリーズ作に仕上がったと感じる。
中学生の時に読んだ映画雑誌「スクリーン」に、カレン・アレンあてにファンレターを書いたらサイン入りの写真を送ってくれたというファンの投書が紹介されていたことを思い出す。
スピルバーグ(76歳)も、ルーカス(79歳)も、ハリソン(80歳)も、カレン(71歳)も、ジョン・ウイリアムズ(91歳)も、みんなおつかれさま。ありがとう。
評価は☆2つ半。