歌会も4回目である。今回も当日券。
東京シリーズ前半の最終日なので、ネタバレしつつ詳細にレビュー。ネタバレなので閲覧は要注意。なお今回はいままでで一番後ろで、2階の最後列だった。でも、左隣と右のひとつ向こうのお客さんがお便りコーナーでメッセージを読まれていた。
ネ
タ
バ
レ
注
意
さて、今回のコンサートで強く感じられるのは2つあって、
(1)前回のツアー途中で亡くなったバンマス小林信吾氏の追悼
(2)戦争や疫病に対する不安
である。それらを意識しつつ、強いメッセージを含んだ曲が多く含まれるセット・リストになっていた。以下、各曲に関する感想やら、聴きどころやらをざっくり書いていく。
1 はじめまして
「枯れた枝を落とすように悲しい人を他人のように忘れてしまう」
2 歌うことが許されなければ
大量の中島さんの曲の中でも特に個人的で、かつメッセージ色、決意表明色が濃い曲である。
「繰り返される戦いの日々 言葉は閉じ込められてゆく」なかで「何度でも編みなおす」
3 倶に
4 病院童
5 銀の龍の背に乗って
3−5は病院シリーズ。コロナや戦争で強く意識された「病院」をテーマにしているが、父と弟が医師である中島さんにとっては馴染みの深い施設でもある。ドラマの主題歌を二曲含めて、ライトなファンでも楽しめるように配慮されていた。
6 店の名はライフ
悪女以前の曲はこの一曲のみ。1月、2月は店の詳細を語っていたのだが、3月になると今の建物の写真を見ての感想だけになった。
7 LADY JANE
途中で生前の小林信吾氏のピアノ演奏が含まれる。初日では感極まって歌唱が中断しそうになったのだが、2日目以降は乱れることはなくなった。メンバー全員からも喪失感が伝わってくる演奏だった。
8 愛だけを残せ
「愛だけを残せ 壊れない愛を
激流のような時の中で
愛だけを残せ 名さえも残さず
生命の証に愛だけを残せ」
9 ミラージュホテル
10 百九番目の除夜の鐘
11 紅い河
12 命のリレー
13 リトル・トーキョー
9ー13は夜会シリーズのメドレー。12だけは単独で成立するけれど、他の曲はまだ夜会とともにある物語性の強い曲である。選曲理由は不明。
14 慕情
ドラマの主題歌の裏話を語り、同郷の倉本聰氏にも言及。3月では「家なき子」の主題歌について「カレーのCMに出ている女の子と犬が出てくる」という事前情報だけで曲を書いたことを暴露し、「中島さんすごい」と自画自賛した。
15 体温
最新アルバムからはこの一曲だけ。中島さんがデビュー前からファンだった吉田拓郎氏がレコーディングに参加した曲なので、どこかのタイミングでコンサートに吉田氏が参加する可能性があるかもしれない。ただ、吉田氏は5年ほどがんで闘病しており、健康状態についての報道がないので、なんとも言えない。
16 ひまわり”SUNWARD”
特にウクライナの戦争を意識させられる曲。
「私の中の父の血と 私の中の母の血と
どちらか選ばせるように 柵は伸びてゆく」
「あのひまわりに訊きにゆけ
どこにでも降り注ぎうるものはないかと
だれにでも降り注ぎうる愛はないかと」
ちなみにSUNWARDにはひまわりという意味はなく、「太陽へ向かう」という副詞、形容詞である。これは歌詞で語られている「たとえどんな名前で呼ばれるときも花は香り続けるだろう」というメッセージにリンクしていると思われる。歌会VOL.1の中では個人的にクライマックス。四回目でも鳥肌がたった。
17 心音
アニメ映画「アリスとテレスのまぼろし工場」の主題歌で最新シングル。曲の内容は映画の内容に強くシンクロしている。
18 野ウサギのように
アンコール一曲目。不自然な形でトリミングされており、歌詞に不適切な表現が含まれているのかもしれない。無理やり選んだ感じがしないでもなく、狐ダンスを見せたかったのだろうか。
19 地上の星
NHKから「新プロジェクトX」の制作が発表され、主題歌が「新・地上の星」になると発表があったので、その絡みかもしれない。