アテネオリンピック番外ドーピング
ハンガリー選手のドーピングによって室伏選手が繰り上げ金メダルとなった。金メダルの数が増えたのは喜ばしい話だが、今ひとつすっきりしない。
それはやはり競技で一度負けているからだろう。後になって「やっぱり金メダル」といわれるより、どうせなら世界中に中継されている舞台で表彰された方が嬉しいに決まっている。
ここで思うのは、「なぜ競技前にきちんとドーピングコントロールできないのか」ということだ。もちろん、興奮剤や血液ドーピングのように競技直前に利用するタイプのものもあるので、競技後でなくてはチェックできない種類のものも存在する。しかし、今回のような筋肉増強タイプであれば、事前にチェックする事が可能だ。今回は検体をすりかえた可能性が強いとのことだが、この手の検査は厳密にやろうと思えばもちろん非常に厳格化できる。今は係官が排尿するところに立ち会うという形をとっているが、やろうと思えば他人の尿をカテーテルで膀胱に注入できるわけで、こんな方法(立ち会い)よりも遺伝子診断を導入すれば良い。
ところで、ドーピングというのも定義がなかなか難しい。僕は現在もスキー選手(もちろんアマチュアだけど)として活動しており、ある意味ドーピングと取れなくもないことをしていた時期がある。
使っていたものは「クレアチン」。これは普通に食品の中に存在する物質で、IOCの基準ではドーピングとはならない。しかし、アマチュアレベルでの効果は絶大だと思う。僕の場合、半年ぐらいの利用とジムでのトレーニングの結果、筋力が40%もアップした。体脂肪率は減少しているのに、体重は10キロ近く増加した。クレアチンの効果は瞬間的な筋力をアップさせるというもの。ウェートトレーニングでクレアチンを使うと瞬間筋力がアップするので、普段よりも高い負荷でトレーニングできる。筋肉に高い負荷をかけることが筋力アップの基本なので、効率的にトレーニングできることになる。もちろん競技本番での筋力アップにも効果がある。
そんなに効果があるクレアチンを何でやめたのかというと、服用開始半年後の健康診断で肝機能の異常が見られたからである。それまで健康だったのに突然肝機能障害が発生する心当たりは一つしかなかった。健康を損ねてまで筋力アップする気はなかったので、そこでクレアチンの服用を停止したのだが、その後肝機能の数値は正常に戻っている。厳密にはクレアチンと肝機能の相関は不明だが、僕は関係があると考えている。
しかし、クレアチンの服用を停止した後も普通にトレーニングしているので、筋力は大きく後退はしていない。クレアチンを利用してつけた筋力は今もある程度維持しているのである。今のところ重篤な後遺症が出ていないので、クレアチンの服用を後悔はしていないが、一方で再び利用しようという気もない。
どんどん突き詰めていくと、このクレアチンはもちろん、プロテインであってもある種のドーピングと言えなくもない。科学的なトレーニングがどんどん進化すれば、検出不可能なドーピングも可能になってくるだろうし、透析のような手段でドーピングの痕跡を消去することも可能になるだろう。それ以前に、遺伝子組み換えによる運動能力の高い人間の作成も可能になるはずだ(もちろん、ここまでいくとドーピングとは言えないが)。
なんか、ドーピングは「定義し、規制し、摘発するサイド」と、「運動能力を高めるために工夫するサイド」のいたちごっこで大変だ。
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ユグドラシルとクレアラシル、響きが似てる。 >挨拶
17日間の熱い戦いにピリオドを打ち、アテネ五輪が閉幕した。
結果、日本は金16個、銀9個、銅12個の合計37個のメダルを獲得。
史上最多のメダル総数となり、記憶にも記録にも残る大会となった。
まずは選手達の頑張りを
ありがとう!アテネ五輪【KAIGAN】at 2004年08月31日 00:19
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「このようなことは2度とありませんように」
そんな願いは叶わないんじゃないかなぁ…って思います。
切ないですけどね。
また、こういう事があるとドーピング検査から逃れて「しめしめ」って思ってる選手もいるのではないか?と邪推してしまうのです。
いっそのこと、「なんでもあり」ってカテゴリーを作れば良いんですけどね(^^;
南アフリカの貧窮国と欧米諸国では食糧事情が異なりますし、国ごとの人口も違います。また、国の取り組みも違うわけで、何が平等で何が不平等なのかの線引きは非常に困難です。ま、この線引きをIOCがやるというのだから、あとはその取り決めをきちんと守るように監視するしか手はないですね。