聖アンナ教会を出てヴィルシュマルティ広場をドナウ川方面に左折し、ヴィガドー広場へ。
広場ではオリンピックのパブリックビューイングをやっていたんだけど、やっていた番組はなんとサッカーの準決勝アルゼンチン対イタリア。こんな試合、昨日のじゃんかー、ってことで、見ている人もまばら。当たり前だ。
ここでトラムやら、ドナウ川やら、その向こうに見える王宮やらの写真を撮影。ヴィガドーはやってなくて、当然中に入ることも出来なかった。
ヴィガドー広場からヴィルシュマルティ広場へ戻り、ジェルボーというカフェでお茶。ここはシッシィもお茶をしたという由緒正しい喫茶店であるが、飲んだものは神社エールではなくジンジャエール。
しばし休憩した後、ヴィルシュマルティ・テール駅からヨーロッパ大陸最初の地下鉄に乗車。ヨーロッパ大陸最初、という表現には含みがあって、ヨーロッパで最初の地下鉄はイギリスで走ったらしい。しかし、ハンガリー人は「イギリスなんていう島国はヨーロッパ大陸ではない。ヨーロッパ大陸で最初のこの地下鉄こそが価値がある」ということらしい。まぁそれはそれで構わないのだが、イギリスと同じく島国から来た僕にはちょっと微妙な表現である(^^; ちなみにこの地下鉄も例の建国1000年祭で開通したもの。建国1000年のあとの不況が目に浮かぶ(^^;
ま、それは良いとして、この地下鉄が古いことには間違いがない。そして、日本の地下鉄と異なり、路面とはまさに首の皮一枚。階段を下るのも超楽勝という優れものだ。もちろんドナウが氾濫するとここはすぐ水浸しなんだろう。
地下鉄で向かったのはオクトゴン。八角形広場という奴だが、要は太い通り2本の交差点。
ここからリスト広場に行き、リスト像を見学。ここのリストはベートーベンばりに髪を振り乱していて迫力満点。
この広場には両側にびっちりカフェが並んでいて、平日の昼間というのにみんなでビールを飲んでいた。リスト音楽院の生徒とか、その他の学生とかが中心なんだろうか。日本で言えば高田馬場とか自由が丘といった趣なのかもしれないが、雰囲気は大分違う(^^;
それからすぐそばにあるリスト音楽院まで行き、建物を見学。この音楽学校へは日本人もかなりの数が留学しているらしい。
それから朝バスで通ったアンドラーシュ大通りを徒歩で南下。このアンドラーシュ大通りも世界遺産なわけで、表参道とはちょっと違う。ということで、信号が赤になったところで道の真ん中に出て、この街並みを劇撮。したのだが、今は木に葉っぱが茂っていて、建物が良く見えない(^^; 本来は華やかな折衷様式の建物が並んでいるはずなのだが。
途中でオペラ座を見て、付属の売店でシッシィのピンズを購入。そこから一本裏道に入って新芸術劇場を見学。これもアールヌーボーの建物だが、どうもありがたみが良くわからない。再びアンドラーシュ大通りを特に目的もなく南下。
散歩の途中、右側に聖イシュトヴァーン大聖堂を発見。これは朝登ることができなかったところだ。ガイドブックによると5時まで登れるそうだが、時間は5:30。でも、塔の上のほうには人影が見える。とりあえず行くだけ行ってみるか、と大聖堂まで行ってみると、今日は6時まで登れるらしい。
当然登る。途中までかなり苦労して登ったのだが、なんとそこからエレベーターがあった。こんなことなら最初からエレベーターを使わせてくれよう。でもまぁ、贅沢は言えない。それで、このエレベーターを待っている先客が二人いたのだが、彼女達は恐らく大学生と思われる日本人。そしてエレベーターが到着したら、そこから降りてきたのも日本人二人。どうも日本人は高いところが好きなようだ。エレベーターで上に昇ると、ドームの周りを一周できる。これでブダペストを一望できるってわけ。登ってよかった。塔から降りるときはなぜか全部エレベーター利用可能。謎だ。ちなみに塔からの景色は思ったほどでもなかった。ドナウ川は建物のかげになってしまっている。ちょっとがっかり。
塔を降りて、エリザベート広場を通り、カーロイ通りを抜けてシナゴーグへ。ここのシナゴーグはニューヨーク、エルサレムに次いで世界で3番目に大きいもの。ピザンチン・ムーア様式の建物で、ドームは43メートルの高さ。ヒトラー時代に壊されなくて良かった。
シナゴーグはもう閉まっていたが、外側から見学。中には1945年に死んでしまった人の墓石が山ほど積んであった。
柵越しにこの墓石を色々見ていたら、奥から子猫が出てきて物欲しそうにしている。しかし、残念ながら食べ物を何も持っていない。仕方がないので写真だけ撮ってあげた。
シナゴーグから裏道を歩き、ヨージェフ・アッティラ通りを抜けて、フォーシーズンズホテルへ。この前にある大きな銅像を見てからツアー集合場所のインターコンチネンタルホテルへ。
インターコンチからバスに乗車し、くさり橋を渡ってブダ側へ。ちょっと北の方にある、食事をしながら民族舞踊を見ることの出来る店で夕食。夕食は魚にクリームスープがかかったもので、味付けはなかなか良かった。
店を出てから今度はドナウ川クルーズである。このクルーズが今回の旅行のクライマックスにして最大の難関。ただでさえ夜景でシャッタースピードが稼げないのに、船に乗っているので足元が安定しない。こうした劣悪な環境で「ドナウの真珠」と呼ばれるブダペストの夜景をどこまでカメラに収める事が出来るのか。
出発するのはマルギット橋で、ここから川を下り、自由橋のあたりで引き返してくるというもの。その間、両側の夜景を楽しむことができる。
まず最初に進行方向左側に見えてきたのが国会議事堂。しかし僕は船の右舷前方にいたので今ひとつ良く見えなかった。まぁ、帰りに見ることが出来るからよしとしよう。次に右側に見えてきたのが王宮。昼間の眺めもなかなかだったが、やはりライトアップされている方が格段に良い。
その先に見えてきたのが王宮のすぐ先にあるくさり橋。この橋は他の構造物とはちょっと異なり白色系の照明でライトアップされている。ドナウ川にかかる8本の橋の中ではこのくさり橋が最も人気がある。
くさり橋をくぐり、次に見えてくるのがエリザベート橋。橋の右側にはゲッレールトの丘がある。丘のふもとにあるゲッレールト温泉も見事にライトアップされている。ゲッレールト像の下、ゲッレールト温泉の右側には昼間撮影した謎の十字架もきちんとライトアップされている。
エリザベート橋をくぐって見えてきたのは自由橋。この橋、昔はヒトラー橋だったそうだが、そのあとヨーゼフ橋になり、さらに自由橋に変わったらしい。ガイドさんは他にもいくつか橋の名前を言っていたんだけど、忘れちゃった(^^; エリザベートはみんなに愛されているので今でも橋に名前が残っているのに、ヨーゼフは人気がないらしい。
自由橋の先にあるぺトーフィ橋の手前で旋回。再び上流に向かう。
さっき見ることの出来なかった国会議事堂もここでチェック。
いやぁ、なかなかナイスなクルーズだった。マルギット橋に戻るとそこからバスでホテルへ。
「さぁ、ネットやるぞ」と思ったが、2つしかないパソコンは両方とも占拠されており利用不能。仕方がないのでネットは次の日にやることにして就寝。あとで聞いた話だが、夜中は雷雨で大変だったらしい。