コンサートは7回観たので、これは8回目。
音や映像を楽しむなら劇場版で十分。空気感は、もちろん感じることができない。でもまぁ、家でBlu-rayを観るときの参考になるので、映画館でも観ておきたい。
こうして聴いてみると、バックのミュージシャンたちの音の解像度はそれほどでもなくて、ごちゃっとまとまっている音楽を背景にしてみゆきさんが前に出て歌っているようなつくりになっている。解像度を高くするために試行錯誤してもそれほど意味がないことがわかった。
「一緒に暮らした相手が遠いところに行ってしまった、ま、海外の島でしょうね、その人から島よりと書いた文、手紙を受け取ったという歌」
「別れた相手から『島より』とだけ書いた手紙をもらったという女性の歌」
私たちが暮らした あの窓からは
見えなかった 星の渦が 騒いでいます
浴びるような星の中 心細さも
戻りたさも涙も 溶けてゆきます
私じゃ なかった だけのことね
初めての国で 習わしを覚え
たぶん忙しく 生きてゆけるでしょう
島よりとだけしか 明かさぬ文は
それゆえ明かすでしょう 心の綾を
島よりとだけしか 明かさぬ文は
それゆえ明かすでしょう 心の綾を
なるようになるものね 恋人たちは
遠回りしてもなお 宿命ならば
私じゃ なかっただけのことね
島では誰でも 子供に戻れる
夢を持つ前の 子供に戻れる
島よりとだけしか 明かさぬ文は
それゆえ明かすでしょう 心の綾を
誰にでも優しいのは およしなさいと
伝えてよ南風 はるかな人へ
島よりとだけしか 明かさぬ文は
それゆえ明かすでしょう 心の綾を
島よりとだけしか 明かさぬ文は
それゆえ明かすでしょう 心の綾を
出典 中島みゆき「島より」(アルバム「世界が違って見える日」(2023年)より引用)
私たちが暮らした あの窓からは
見えなかった 星の渦が 騒いでいます
浴びるような星の中 心細さも
戻りたさも涙も 溶けてゆきます
私じゃ なかった だけのことね
初めての国で 習わしを覚え
たぶん忙しく 生きてゆけるでしょう
島よりとだけしか 明かさぬ文は
それゆえ明かすでしょう 心の綾を
島よりとだけしか 明かさぬ文は
それゆえ明かすでしょう 心の綾を
なるようになるものね 恋人たちは
遠回りしてもなお 宿命ならば
私じゃ なかっただけのことね
島では誰でも 子供に戻れる
夢を持つ前の 子供に戻れる
島よりとだけしか 明かさぬ文は
それゆえ明かすでしょう 心の綾を
縁ある人 万里の道を越えて
引き合うもの 縁なき人 顔をあわせ
すべもなくすれ違う
出典 中島みゆき「縁」(アルバム「予感」(1983年)より引用)
誰にでも優しいのは およしなさいと
伝えてよ南風 はるかな人へ
誰にでも やさしくし過ぎるのは
あなたの 軽い癖でも
わたしみたいな者には心にしみる
出典 中島みゆき「捨てるほどの愛でいいから」(アルバム「寒水魚」(1982年)より引用)
一人歩きを始める 今日は君の卒業式
僕の扉を開けて 少しだけ泪を散らして
さよならと僕が書いた 卒業証書を抱いて
折からの風に少し 心の代わりに髪揺らして
幸せでしたと一言 ありがとうと一言
僕の手のひらに指で 君が書いた記念写真
君の細い指先に 不似合いなマニュキア
お化粧はおよしと 思えばいらぬお節介
めぐり会う時は 花びらの中
他の誰よりも きれいだったよ
別れゆくときも 花びらの中
君は最後まで優しかった
梅雨のあとさきの トパーズ色の風は
遠ざかる 君のあとをかけぬける
ごめんなさいと一言 忘れないと一言
君は息を止めて 次の言葉を探してた
悲しい子犬のように 震える瞳をふせた
君に確かなことは もう制服はいらない
めぐり会う時は 花びらの中
他の誰よりも きれいだったよ
別れゆくときも 花びらの中
君は最後まで優しかった
梅雨のあとさきの トパーズ色の風は
遠ざかる 君のあとをかけぬける
さよならと僕が書いた 卒業証書を抱いて
ごめんなさいと一言
波のかなたから流れて来るのは
私の知らない貝殻ばかり
波のかなたから流れて来るのは
私の知らない寿歌(ほぎうた)ばかり
遠い昔のあの日から この島に人はいない
みんなみんな阿檀(あだん)の木になった
波のかなたから流れて来るのは
私の知らない国歌(くにうた)ばかり
遠い昔にこの島は戦軍(いくさ)に負けて貢がれた
だれもだれも知らない日に決まった
波のかなたから流れてくるのは
私の知らない決めごとばかり
陽は焼きつける 阿檀は生きる
大地を抱いて阿檀は生きる
山の形は雨風まかせ
島の行方は波風まかせ
遠い昔にこの島は戦軍(いくさ)に負けて貢がれた
だれもだれも知らない日に決まった
誰も知らない木の根の下は
主(ぬし)の見捨てた貝殻ばかり
呼んでいる 胸のどこか奥で
いつも心踊る 夢を見たい
かなしみは 数えきれないけれど
その向こうできっと あなたに会える
繰り返すあやまちの そのたび ひとは
ただ青い空の 青さを知る
果てしなく 道は続いて見えるけれど
この両手は 光を抱ける
さよならのときの 静かな胸
ゼロになる からだが 耳をすませる
生きている不思議 死んでいく不思議
花も風も街も みんなおなじ
呼んでいる 胸のどこか奥で
いつも何度でも 夢を描こう
かなしみの数を 言い尽くすより
同じくちびるで そっとうたおう
閉じていく思い出の そのなかにいつも
忘れたくない ささやきを聞く
こなごなに砕かれた 鏡の上にも
新しい景色が 映される
はじまりの朝の 静かな窓
ゼロになるからだ 充たされてゆけ
海の彼方には もう探さない
輝くものは いつもここに
わたしのなかに 見つけられたから